英語で読書♪簡単な本を中心に洋書での読書を楽しんでいます。映画の感想や旅行の記録などもアップしています。楽しくなる情報を共有できますように♪
スポンサーサイト
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 / Haruki Murakami
2016年06月10日 (金) | 編集 |
Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage (Vintage International)
Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage (Vintage International)Haruki Murakami Philip Gabriel

Vintage 2015-05-05
売り上げランキング : 1320


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

YL:6
語数:84,000

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年村上 春樹

文藝春秋 2013-04-12
売り上げランキング : 18144

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


もう3年以上前に(!)出版された
(英語版は昨年のようですが)
村上春樹の長編
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 」
やっと読みました。

鬱小説かと思っていたら(最初が暗いので)
推理小説のような感じで、
面白かったです。

日本語版が本屋に並んだ時、手に取って、
「うっ、これは読めない・・・」と
諦めていたのですが、
英語版は翻訳で印象が変わりますし、
自分でそこからさらに好きに翻訳して読めるので、
最近の春樹氏の小説のクセが気になる人(私)
でも、楽しく読めました。

Eriのしゃべり方とか、全然印象が違う!

日本語版はほんと重苦しそうです。

読み終わった後、ネットで感想を探して
読みまくっていたのですが、
皆さん、よく考えますね。

小説のなかのある出来事の犯人探しを
しているサイトがすごく面白かったのですが、
そこで特定されている人以外にも
4人の違う人物が
読んだ人によってそれぞれ説得力をもって、
犯人ではないか、と主張されていて、
興味深かったです。

読む人によってここまで違うっていうのが、
確かに一般的なミステリーとの違いですね。

内田樹氏の解説書
「もういちど村上春樹にご用心」
の文春文庫版の最後に
この本と「女のいない男たち」の解説が
追加されていると聞いて、
読んでみたのですが、
「女のいない男たち」の解説のインパクトの
強さと、
その後海外サイトの解説を読んで、
女性に対する根深い悪意のようなものを
感じて、

「ねじまき鳥」を英語で再読しようかと
思ったときも、
最初の方で、
「あー、こんな男性だったら、
奥さんに去られても仕方ないかな」
とイライラしたことを思い出し、

氏の小説と距離を置いていたことを
思い出しました。

なんやかんや言って(?)
弱い人間に厳しいですよね。

自分が真のところで、強い人間だからか、
強くならなければならないのだ、
というのは、特に若い人への
メッセージとしては間違っていないんでしょうけど。

“If I wasn't hard, I wouldn't be alive. 
If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.”
ってことですかね。
というか、
“If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.”
だけど、
“If I wasn't hard, I wouldn't be alive.” 
ってことかな。


あ、でも、今回の小説自体は
面白かったです。

「アンダーグラウンド」をちょっとだけ読んだことが
あるのですが、そこでインタビューされた
働く一般の人々の姿が、
その後の小説に色濃く反映されているようが気がします。
この小説の主人公とか。

あと何と言っても今日本を代表する作家としての
責任もかなり感じられているのかなあ、と。
レクサスとか。

海外でのレビュー記事について。

どの書評もこれまでの作品を良く読まれているなあ、と。
あまり突っ込んだ批評はなく、あらすじを紹介している
ものが多い印象ですが。

イギリスの新聞の方が読むのが難しく感じました。
The Guardian が関連記事のリンクが多くて、
多めですけど。

日本の個人のサイトのように、
色々面白く分析しているものがないなあ、と
目を通していって感じたんですけど、
(新聞とかだといい加減なことは書けないです
ものね)
The Rumpus(たぶん)
の記事を読んで、
「そうだよ。女性に対してひどすぎる!」
と怒りを新たに、ふっと、目が覚めた気がしました。

あと時々、英語の翻訳が不自然、
日本語では違うのではないか、という批評を
見かけましたが、
そもそも日本語の言いまわしが、
作者による意図的な独特の不自然さを
まとっているような気がするので、
いや、翻訳が特に間違っているわけでは
ないかも、と擁護したくなりました(笑)

◆海外レビューなど

Haruki Murakami Paints A 'Colorless' Character In A Vividly Imagined World
NPR 音声あり

Deep Chords: Haruki Murakami’s ‘Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage’
The New York Times

Review: ‘Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage,’ by Haruki Murakami
The Washington Post

Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage by Haruki Murakami
The Rumpus, the first choice for people who think twice.

Philip Gabriel on translating Haruki Murakami
翻訳者Philip Gabrielのインタビュー
THE TIMES OF INDIA

Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage by Haruki Murakami – review
Full of ambiguity and sex – all Murakami's signature flourishes are here

The Guardian (UK)

Haruki Murakami: 'My lifetime dream is to be sitting at the bottom of a well'
The Guardian (UK)

Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage review – Haruki Murakami's familiar tale of a man's odd past and his empty present
The Guardian (UK)

Haruki Murakami, Colorless Tsukuru Tazaki - book review
Murakami returns with a harmonious blend of naivety and riddling sophistication

INDEPENDENT (UK)

Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage by Haruki Murakami, review: 'little claim to interest'
The Telegraph (UK)


◆以下本からの引用

“You can hide memories, but you can’t erase the history that produced them.” Sara looked directly into his eyes. “If nothing else, you need to remember that. You can’t erase history, or change it. It would be like destroying yourself.”
P44

“Franz Liszt’s ‘le mal du pays.’ It’s from his Years of Pilgrimage suite ‘Year 1: Switzerland.”
“Le mal du... ‘?”
“Le mal du pays.’ It’s French. Usually it’s translated as ‘homesickness,’ or ‘melancholy.’ If you put a finer point on it, it’s more like ‘a groundless sadness called forth in a person’s heart by a pastoral landscape.’ It’s a hard expression to translate accurately.”
P68

People whose freedom is taken away always end up hating somebody. Right? I know I don’t want to live like that.”
P73

“People ask that a lot. Actually, it doesn’t mean anything. It’s a made-up word. An ad agency in New York came up with it as Toyota’s request. It sounds high class, expressive, and has a nice ring to it.
P186

As we go through life we gradually discover who we are, but the more we discover, the more we lose ourselves.
P217

“What’s there in Finland?” his boss asked.
“Sibelius, Aki Kaurismaki films, Marimekko, Nokia, Moomin.”
P248

One heart is not connected to another through harmony alone. They are, instead, linked deeply through their wounds. Pain linked to pain, fragility to fragility. There is no silence without a cry of grief, no forgiveness without bloodshed, no acceptance without a passage through acute loss. That is what lies at the root of true harmony.
P322

Shinjuku Station is enormous. Every day nearly 3.5million people pass through it, so many that the Guinness Book of World Records officially lists JR Shinjuku Station as the station with the “Most Passengers in the World.”
P360

pastoral 田園生活の、いなかの、牧歌的な
recess 奥まった所、(心の)奥(底)
plug away こつこつ働く、こつこつやる
conjecture 推量、推測
taciturn  無口な、口数の少ない
constrain  強いてさせる
speculative  思索的な、推論的な、投機的な、不確かな
intentionally 意図的に
transcend 越える、超越する
contradiction  否認、反対、矛盾
equivocation  あいまいな言葉、ごまかし
viscerally  内臓で、不合理な感情的な方法で
 visceral  内臓の、直感的な
 (gutと似てますね)
mischievously  いたずらに、人を傷つけて、有害に
heft  重量、勢力、持ち上げる
immerse  浸す、没頭する
chipper  元気のよい
plunk  ポロンポロンと鳴らす、はじく、ぽんと置く、ドサッとほうり出す、
 plunk oneself down ドシンと座る

◆海外レビューを読んでいて調べてみた単語
bagatelle つまらないもの、ささやかな事柄、バガテル(ピアノ用小曲)
fidget そわそわする
pallid 青ざめた
nimbleすばやい、
concoct(材料を混ぜ合わせ工夫して)作る
stifle 息苦しくさせる
reparation 賠償、
schmaltz(音楽・文学などの)極端な感傷主義
sham 見せかけ、ごまかし、いんちき、
peril (けが・死などにかかわるような大きな)危険、危機
junctures 転機
ostracism 追放、(古代ギリシャの)オストラシズム
vindicate 嫌疑を晴らす
absentia  欠損、欠乏
jeopardy  危険
estrange  疎遠にする
at the mercy of  のなすがままに
lionize  かつぎあげる
predicament  苦境、窮地


もういちど村上春樹にご用心 (文春文庫)
もういちど村上春樹にご用心 (文春文庫)内田 樹

文藝春秋 2014-12-04
売り上げランキング : 90560


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連記事

トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。