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ヘンな日本美術史 / 山口晃
2014年03月09日 (日) | 編集 |
ヘンな日本美術史ヘンな日本美術史
(2012/11/01)
山口 晃

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自分が描いたということにこだわらなかった「鳥獣戯画」の作者たち。人も文字もデザイン化された白描画の快楽。「伝源頼朝像」を見た時のがっかり感の理由。終生「こけつまろびつ」の破綻ぶりで疾走した雪舟のすごさ。グーグルマップに負けない「洛中洛外図」の空間性。「彦根屏風」など、デッサンなんかクソくらえと云わんばかりのヘンな絵の数々。そして月岡芳年や川村清雄ら、西洋的写実を知ってしまった時代の日本人絵師たちの苦悩と試行錯誤…。絵描きの視点だからこそ見えてきた、まったく新しい日本美術史。

内容(「BOOK」データベースより)

「鳥獣戯画」「白描画」から雪舟、「洛中洛外図」、
河鍋暁斎ら明治画壇まで、日本美術について
独自の大胆な視点で解説されている本です。

あちこちのブログで評判だったので読んでみました。

取り上げられている日本画が約28枚も贅沢に含まれていて、
具体的にその絵を見ることができることもあり、
大変わかりやすく面白かったです。

本物が見たくなります。

日本美術に詳しくなくても十分に刺激的で
文化論としても楽しめました。

山口さんによる表紙の絵も素敵です。

2013年 小林秀雄賞 受賞

◆以下引用メモ

人間の目は絶えず一ミリ、二ミリといった具合に動いているものです。視点が移動すれば、画面に差し込む光の見え方もそれに応じて変化します。そのずれが透明感を生んでいるのですから、それを印刷ではなかなか出せないのでしょう。
P16
(うむむ、やっぱり現物を見に行かないと)

現代だったら独自性に固執するあまり、「あ、俺はこんな絵は描けない」と言って落ち込んで終わりなのですけれども、その枠が緩いと「じゃあ、俺はこうしてみよう」と云う風に広がるほうに行く。その結果、むしろ自分というものを保てる側面がある。
P26

その絵が描かれた時代を起点にして、なるべくこっち向きの視点を獲得する。「こっち向き」と云うのは、要するに、その時代からどうなるか分からない未来を見据えた視線を一生懸命想像する方が、あるべき態度かと思います。
 なぜなら、遡る態度と云うのは、家系図を反対から見るように、何であれ、それを必然にしてしまうからです。
P27

そして、それらバラバラな絵具の筆致の集まりが、離れて見た時に溶け合って一つの空間が現れると云う快感をもたらします。日本人は印象派を非常に好みますが、よく言われるように綺麗で分かりやすいと云う面以外にも、こういたイリュージョンに魅せられているのではないかと思えます。
P42

この「同じ事をやり続ける」のは、一見簡単そうで実は非常に難しい。存在意義として同じ事をやり続けるために表層を変えるのか、同じ表層を続ける事で違った意義を見出してゆくのか、どこを不定の軸にとるのか、どこを一定のものとするのかによって、流れているようで実は留まっている、あるいは留まっているように見えて流れていると云う風に、在り方として全く異なるものになってしまいます。
P56

そのジャンルが生まれて、さまざまに展開する基の部分と云うのは、後の世からすると当たり前にすぎて見えづらくなっていますから、その新しさや、当時の盛り上がりを理解するために、時代背景を知る事が必要になってきます。事情を知らない現代の人間が見せられて、単純に面白さを感じやすいものではありません。
P84

最初に粗い網にかけて節操なく採り入れた物を、時間をかけて取捨選択して、何代もかけて“こなしていく”と云うのが日本文化の「オリジナリティ」の源です。
そのこなしていったものが三代も続くと、それは元から見たら全く別の物になってしまう。必要があればいくらでも独創は生まれます。
P90

文化のオリジナリティを話題にする人は、よく源流は何処かと云うことに拘りますけれども、それは大体におい一つではありません。先の漢字もそうですが、源流を遡れば遡るほど、ある段階を超えるとそれは反対に拡散してしまう事が多いのです。
P91

しかもその歳でありながら、技巧的に集大成の感が無くて、むしろ全くまとまっていない。このまとまらなさというのは、最初に申し上げたような「こけつまろびつ」している状態、自分の中でこなれてしまう前に、さらに新しいものを探し続ける姿勢を示しています。やはり、その引き出しの多さと云うのが、雪舟の持つ大きな魅力なのです。
P124

服装に関して、海外に日本美術を広く紹介した岡倉天心(一八六三~一九一三年)が、洋行する際にどのような服装をするべきか訊かれての答えが象徴的です。曰く、「英語が不自由なくできるなら和装で」。これが正に先程申した「バカにされる」事に対処する姿勢であるのでしょう。
 帝国主義の世界で「バカにされる」とは、「植民地化も止むなし」と看做されたり、不平等条約を履行され続けたりする事ですから、今の世の人間からすれば過剰とも見える対処姿勢をとる明治人がいたとしても、仕方のない事なのかもしれません。
P215

その「宗家」と云うのは、西洋絵画、西洋美術界の事ですが、日本にそれらが本格的に入ってきたその時期、西洋美術界が非常な変革期にあった事も、洋画には不幸でした。
 つまり、ある青年がアカデミックな写実に感銘を受け、それを現地に学びにゆくと、印象派が始まっているのでそれを持ち帰る。それを見た違う青年がまた感銘を受け学びにゆくと、今度はセザンヌが始まっているのでそれを・・・と云った具合に、誠実に自らの興味を追った積み重ねが、浮薄な移り気の軌跡のようになってしまう。洋画の歴史を見るとそんな風であるのは、国立近代美術館の常設展示が、ミニ西洋美術史みたいになっている事にも見てとれます。
P246
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コメント
この記事へのコメント
面白そうな本ですね。値段が高そうだと思ったけど、値段も手頃ですね。ちょっと欲しいです。
2014/03/09(日) 20:17:27 | URL | オレンジ #-[ 編集]
オレンジさんへ
オレンジさん、コメントありがとうございます♪
私は図書館で借りたのですが、予約がいっぱいでかなり待ちました^^
2014/03/10(月) 21:19:48 | URL | tabby #-[ 編集]
図書館といえば、おばあちゃんが『さおだけ屋はなぜんもうかるのか』を読みたかったんですが、予約がいっぱいだったので、買ってあげました。
2014/03/11(火) 03:59:38 | URL | オレンジ #-[ 編集]
オレンジさんへ
オレンジさん、コメントありがとうございます♪
おばあちゃんのために本を買ってあげるなんてやさしいですね^^
2014/03/11(火) 21:46:34 | URL | tabby #-[ 編集]
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