英語で読書♪簡単な本を中心に洋書での読書を楽しんでいます。映画の感想や旅行の記録などもアップしています。楽しくなる情報を共有できますように♪
東京日記 卵一個ぶんのお祝い。 / 川上弘美
2016年10月09日 (日) | 編集 |
東京日記 卵一個ぶんのお祝い。東京日記 卵一個ぶんのお祝い。
(2005/09)
川上 弘美

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「少なくとも、五分の四くらいは、ほんとうです。」
という、川上 弘美さんの東京日記、その1。
2巻目よりはほんとうっぽいかも?^^
門馬則雄さんのイラストもかわいくて、ほのぼのほのぼの、
ちょっとうろん。

ちょっとしたお祝いごとがあったので、
肉の万世で。

肉の万世02
このコーンスープが美味しいんですよね♪

肉の万世01
もちろんお肉も♪

【和書】袋小路の男 / 絲山 秋子
2016年10月02日 (日) | 編集 |
袋小路の男 (講談社文庫)袋小路の男 (講談社文庫)
絲山 秋子

講談社 2007-11-15
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新聞で作家の方が絲山さんの本のなかで
一番、と書かれていたのを読んで、
読んでみました。

高校生の頃に知り合った男女の
その後十年以上にも渡る不思議な関係
が描かれます。

最初の「袋小路の男」は、
あまりにこの男性の女性に対する態度が
ひどい気がして、
うーん、という感じだったのですが、

同じ状況を男性の視点からも書いた
「小田切孝の言い分」
を読むと、
相手の弱さや言い分も理解できるようで、
一方的ではない人間関係のややこしさが
興味深かったです。

まったく別の淡泊な独身中年男性と女子中学生の短編、
「アーリオ オーリオ」も良かったです。

珈琲館
カキ氷@珈琲館
メニューの写真の大きさと
ギャップがありすぎてちょっとびっくりしましたが、
美味しかったです。


旅猫リポート / 有川浩
2016年09月25日 (日) | 編集 |
旅猫リポート旅猫リポート
(2012/11/15)
有川 浩

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旅&猫の話で、評判がいい、図書館で長い予約待ち、
という情報のみで、読んでみました。

えー、反則です!(って悪い意味でなく)

猫と一緒に旅をする話ですが・・・。

もう後半からは・・・。

読み手を選ぶ話のような気がしますが、有川さんは
人気作家なので、こういうのが一般受けするのかな?

猫飼いたいなぁ。

名古屋
名古屋の駅でモーニング。
アイスコーヒーの値段でパン、卵、バナナ、餡が
ほんとについてきたので、嬉しい驚き♪

【和書】木皿食堂 / 木皿 泉
2016年09月18日 (日) | 編集 |
木皿食堂 (双葉文庫)
木皿食堂 (双葉文庫)木皿 泉

双葉社 2016-05-12
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『すいか』、『野ブタ。をプロデュース』、
『セクシーボイスアンドロボ』、『Q10』
などの脚本を書かれてきた
木皿泉さんのインタビューや
色々なメディアで書かれてきたものを
まとめたエッセイ集。

神戸新聞で毎月連載していらっしゃる
というエッセイが特によかったです。

◆以下引用
向田ドラマを見ると胸が苦しくなる。気の利いた女が、実は男にはとても負担なのだということを、繰り返し繰り返し書いているからだ。
p17

早くやろうと焦ることが、一番の遠回りになる。(中略)「どちらか迷ったら、手間のかかる方法を取れ」と言っていた。(中略)自分にできる最高のことをする、というのが本来の仕事のあり方とプロは教えてくれる。
p23

その人に必要なモノをあげるのが贈り物ではない、と思う。その人にあげたいと思うのが贈り物だ。
p25

絶対になれないようなものに挑戦して、挫折したいと思ったのが、そもそものきっかけです。
p231

日常的あるいは非日常的な台詞を書くことで、自分が何が好きで、何にこだわっているのか、わかったんじゃないでしょうか。書くというのは、そういうことだと思います。
書き続けていくと、イヤでも自分が無能だということを思い知らされます。でも、そのことさえ引き受ける勇気があれば、こわいものは何もありません。
p235


【和書】ポプラの秋 ・ 岸辺の旅/ 湯本香樹実
2016年09月11日 (日) | 編集 |
ポプラの秋 (新潮文庫)ポプラの秋 (新潮文庫)
(1997/06/30)
湯本 香樹実

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父が亡くなり、7歳の主人公と母親は庭にポプラの木がある
小さなアパートに引っ越してきます。
新しい生活に慣れず体調を崩した私は、不気味な大家の
おばあさんと一緒に過ごすことになるのですが。。。

25歳になった主人公の現状と子供の頃の回想で綴られているのですが、
以前読んだときよりも、おばあさんの側の視点で読んでしまいました。

このおばあさんがすごくて、こんな人になれるかどうかはさすがに
無理としても、まっとうに歳をとっていきたいなあ、と考えずには
いられませんでした。

落ち葉でするたき火もいいなあ。

以下引用メモ

献身的で安定した態度、的確な動作、慎ましい言葉の奥にある
心地よい活気。それらは皆、きちんと自分を信じている人だけが
持つことのできるものだ、と十五歳の私は熱に浮かされたように考えた。
p145

「ねるよりらくは、なかりけり。うきよのばかは、おきてはたらく」
p170

***********

湯本 香樹実さんというと、
三年前に失踪した夫が突然戻ってきて
一緒に旅をする、という小説「岸辺の旅」
も不思議な話でした。

岸辺の旅 (文春文庫)岸辺の旅 (文春文庫)
湯本 香樹実

文藝春秋 2012-08-03
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こちらは、
読了後直後はあまりぴんとこなかったのですが、
じわじわと、なにかにつけふと思い出す、
といった本でした。

昨年、黒沢清監督、深津絵里さん、浅野忠信さん、
主演で映画化され、
本の印象はすっかり映画に
上書きされてしまいましたが。
あ、映画もなかなか良かったです。

本にしても映画にしても、
感想をアップすることで、
もう一度咀嚼しないと、
ほんとに忘れてしまい、せっかくの
経験が薄いものとなってしまうので、

頑張ってブログを書いたり、
人に話したりすることで、
より豊かに人生が楽しめるのかも。

まあすべて消えてしまうものなので、
忘れてしまってもいいんですけどね。


【和書】秘事 / 河野 多恵子
2016年09月04日 (日) | 編集 |
秘事秘事
(2000/10)
河野 多恵子

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本ブログで、夫婦の機微を描いていて泣いた!と
絶賛されていたので、読んでみました。

商社に勤める夫とその妻の、
知り合って結婚してから、二人の男の子を育てあげ、
晩年に至るまでの日々が、丁寧に綴られていきます。

著者の河野さんのNY滞在についてどこかで読んだ気がするのですが、
商社マンとしてあちこち赴任する設定のなかで、NYの描写が
やや詳しく書かれています。

淡々とした話で、途中までは、
商社マンの妻は大変そうだなあ、とか
きちんとした家庭での人間関係は難しそうだなあ、とか
思いながら読んでいったのですが、
最後は涙が。。

奥さんの性格が結構つかみどころがなくミステリアスですが、
最後まで読むと、賢い人だなあ、という印象が残ります。

息子達が立派に育って、お嫁さんたちとの関係も良くて、
孫にも恵まれ、夫婦仲も良くって、理想的・・・。

夫は出世するだけあって(?)結構癖のありそう人なので、
上手に付き合っていくのは難しそうですが。。

仲のいい夫婦としてつきあっていきたいものです。

小説としては、あまりに起伏のない話なので、
賛否両論あるようです。

文庫版に一緒に収められている話が激しそう。

秘事・半所有者 (新潮文庫)秘事・半所有者 (新潮文庫)
(2003/02)
河野 多恵子

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河野多恵子さんというと、ずっと前に
富岡多恵子さんとのイギリス二人旅、
嵐ヶ丘ふたり旅
(面白かったです♪)
を読んだことしかなかったのですが、
他の小説は少し雰囲気が違いそうですね。

河野 多恵子さん、昨年亡くなられていたのですね。
ご冥福をお祈りいたします。

【和書】ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2)) / 川上弘美
2016年08月28日 (日) | 編集 |
東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))
(2007/11/17)
川上 弘美

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ひらがな、大和言葉で綴るなんかへんてこで可笑しい日記エッセイ。
「中の五分の四ぐらいは、うそみたいですがほんとうのことです」と
最後に書かれていますが、ほんとぉー?と言いたくなる話が満載。
さらっと楽しめます。

川上弘美さんの小説に通ずる異界に近いかんじですが、
わらっちゃいます。

ピアノ教祖??
関西って関東より筍の産地ですよね。
私も「上機嫌」になってやろうといろいろやってみたい。

ところどころにはさまれているイラストもほのぼのしています。

銀座珈琲館
@銀座珈琲館
名画で読み解くハプスブルク家12の物語 / 中野京子
2016年08月13日 (土) | 編集 |
名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)
(2008/08/12)
中野 京子

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感想を書こうと思ったら、
図書館に返却されてしまっていました。
がーん。

ということで詳細は書けませんが、
全点オールカラーの名画12点の解説によって、
650年続いたハプスブルク家≒ヨーロッパの歴史が
語られます。

中野節といえそうな語りが
生き生きとしていて、面白い本でした。

絵画と歴史が一度に楽しめるなんてお得感も満載です。

◆取り上げられている名画
・アルブレヒト・デューラー『マクシミリアン一世』
・フランシスコ・プラディーリャ『狂女フアナ』
・ティツィアーノ・ヴィチェリオ『カール五世騎馬像』
・ティツィアーノ・ヴィチェリオ『軍服姿のフェリペ皇太子』
・エル・グレコ『オルガス伯の埋葬』
・ディエゴ・ベラスケス『ラス・メニーナス』
・ジュゼッペ・アルチンボルド『ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ二世』
・アドルフ・メンツェル『フリードリヒ大王のフルート・コンサート』
・エリザベート・ヴィジェ=ルブラン『マリー・アントワネットと子どもたち』
・トーマス・ローレンス『ローマ王(ライヒシュタット公)』
・フランツ・クサーヴァー・ヴィンターハルター『エリザベート皇后』
・エドゥアール・マネ『マクシミリアンの処刑』

いつも旅のなか / 角田光代
2016年08月06日 (土) | 編集 |
いつも旅のなか
いつも旅のなか角田 光代

アクセスパブリッシング 2005-04
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アジアとヨーロッパをメインに世界中を
一人旅、ツアー旅、取材旅、と色々な形で
旅した旅行記。

どの話もすごく面白かったです。
単行本の表紙の写真はキューバなのかな?
(キューバというと、
「ポカリスエット WEB動画|
ダンスが上手で陽気そうなキューバで、
ポカリのダンスをガチで踊ってみた。 」
で街の様子がちらっと見れます。
このダンス、オリジナルCMや
パリ編もいいですねー。)

引用していませんが、
日本人女性が好きなオーストラリアの男性の話
なんかも、小説みたいです。

もう十年以上も前の本なので、
アジアの状況なども結構変わっているかも。

タイが一番好き、中国が一番嫌い、という
作者の衝撃的な上海旅を読んでから上海に行ったので、
かなりびびっていたのですが、
今年行った上海はすごい大都会で
この本のころから激変していると
思われます。

作者のバックパックの旅はポジティブで
ちょっと真似してみたくなりますが、
年齢にふさわしい旅がある、
ということで、自分にぴったりくる旅、人生は
自分で試行錯誤していくしかないんでしょうね。

以下引用メモ

そうして私は、その「日本的なもの」がびっくりするほどきれいな気持ちであることに気づくのである。
感情の入る余地のない合理的な商売がきらいで、押しつけがましい態度にたえられず、打算のない親切が存在すると心から信じていて、向き合いたがいの目を見て話しあえば、言葉も文化も習慣も経済も乗り越えて、全世界のだれとでもわかりあえるはずだ。だれもが平等にシアワセになれるよう、自分の健康を願うように願っている。
p19

日の傾きはじめた国境、掘っ建て小屋の外側で、じりじりと私は汗をかいた。沈黙。虫の羽音がすぐ近くで聞こえる。小屋の内側、丹念にパスポートをめくっていた中年男は、顔をあげないまま、にこりともせず口を開く。ドラえもん、知ってる?
(中略)タイという国を旅しているとき、いたるところでひしひしと感じるそれとまったく同じである。他や異を排さないふところの広さ、いい意味でのどうでもよさ、おおらかさ。
p23
(成田のイミグレーションが厳しいということだけど、人によってかなり違うのかも。アジア放浪っぽい雰囲気の人とかには厳しいのかも)

神の気配のまったくない宗教施設は、私の見てきた世界のどこにも、存在しない。ある特異な神聖さ、人々の祈りと切望、排他性と肯定性の絶妙なバランス、すべてからにじみ出るどうしようもない俗っぽさ、それらが相まって、神の気配となっている。それが、この聖堂の内部には、まったく感じられないのだ。
p43
(サンクト・ペテルブルグのイサク聖堂)

うんざりするほどのんびりと(地酒でない)酒を飲み、本を読み、寝て、海を眺めるのだ。検討の結果、行先はギリシャのロードス島に決まった。
p49
(こういうテーマの旅がロードス島!いいねー)

私が向かったのは、カランバカという村である。メテオラという奇岩群の麓の、ちいさな村だ。
p51

このように山を越え越え、一日かけて私は各修道院をまわっていった。
p56
(いいなー)

しかし、タクシーを呼ぼうにも山道に公衆電話はなく、私はひとり、ただひたすら山道を前へ前へと進んで次なる修道院を目指したのだった。どこか遠くから無数の鐘の音が聞こえてくるたび身構えて、隠れ場所を捜し、鐘の音が遠のけば安心して鼻歌をうたい、歩いた。神さまの存在をこれほど近しく感じたことはなかった。犬が出てきませんように、と祈れば、奇石の上の神さまにまっすぐ届くような気がした。
p57

そのときのスリランカは、ゲリラ活動まっさかりのときだった。何もわざわざそんな時期を選んで旅していたのではなく、なにも知らずに旅していた。いく町いく町の、道路という道路が封鎖され、チャックポイントがもうけられ、チェックポイントには大量の砂袋が積み上げられ、そのわきにはライフルを抱えた老若男女の兵隊たちがたむろする掘っ立て小屋があり、なんだかずいぶんけったいな国だわ、と思いながら私は旅していたのだった。
p75

ナラタニヤは本当にちいさな村だった。バスの降車場からずらりと土産物屋が並んでいる。ブッダのブロマイド、ブッダのポスター、ブッダのペンダント、ブッダのペナント、ブッダの置物などをどの店も売っている。
p71

気がつくと私も手を組んで太陽と向きあっていた。なんだか泣き出したいような気分だった。感動したのではなくて、泣き出したいほど強く何かを実感したのだった。何か、は、空洞みたいなものだった。自分のなかにぽっかりと空いた空洞の存在を強く感じたのだ。それは、さみしいことでもむなしいことでもなくて、なんだか不思議を力のわいてくるようなことだった。
p83

のちのちわかってくることなのだが、ラオスの人々は、みな非常に物静かでシャイである。日本ととてもよく似た国民性だと私は思った。何か訊けば親切に教えてくれるが、向こうから声をかけてくることはまったくなく、お隣タイの人々は、目が合うと決まってにいーっと笑うものだが、ラオスではみなぱっと目をそらす。
p113

地理を覚え、定期的に同じ店に通ってお茶を飲み、食事をして、店の人や常連客と会話し、挨拶や食べもの名などラオス語を覚え、使い、目をそらすシャイなラオス人と無理矢理目を合わせて言葉を交わし、深夜近くまで宿のロビーでスタッフとテレビを見・・・、私のやったことはすべて、それまでの旅で会得した「町との親しくなりかた」であった。
p114

酔って寝技は二十代の彼女にふさわしかったのであって、三十代は半ばを過ぎた彼女のその技は、相手に恐怖を与えこそすれ恋愛の序章にはなり得ない。のだ。
旅にも年齢がある。その年齢にふさわしい旅があり、その年齢でしかできない旅がある。
p119

イタリアにいったことのある多くの人が、よくわかんないという顔をする。「そんなに危険なところじゃないけど・・・だいたいあそこは、ものは盗んでも命はとらないって有名なんだ、ヨーロッパのなかでは安全なほうだ」と、彼らは言う。
p125

不気味さと死のにおいが静かに漂う、キュートさのかけらもない剥製館を見学した子どもたちと、死のにおいのまったくしない、はみだすもののまったくない清潔な剥製館を見学した子どもたちは、当然、大人になったときのものごとの捉えかたが大きく異なるだろうと私は思う。
p142
(フィレンツェのラ・スペーコラ博物館)

ベトナムのハノイにはじめて足を踏み入れたとき、今まで訪れたことのある国とあまりにも勝手が違って、ひどく戸惑ったのを覚えている。
ものすごく閉鎖的な町だと思った。(中略)フエというのは古都で、(中略)戦争の傷跡の生々しい一種不気味な町だという感想を抱いた。
p157

ベトナムから無事に帰っていつも通りの毎日がはじまったと、その手紙には書いてあった。いつも通りの毎日ーーーぼくにとってそれは、知らない人を車のうしろに乗せて、町をぐるぐる、ぐるぐるまわる仕事だ。ただそれだけだ。どこにもいけないし、どこにも帰れない。ただ同じところをまわっているだけ。でも、だからなんだ?とぼくは思うんだ。人生はフェアだ。どこまでもフェアで、そしてこれが、ぼくに与えられた日々なんだ。もしサンフランシスコにくることがあったら連絡ください。車のうしろに乗せて町を案内するのは、得意なので。
p165

先に何があるのかわからなくても、それがどんなにみみっちいことでも、自分ひとりで動き出さなきゃいけないときは少なからずある。それでも心配することはない。途方に暮れたとき周囲を見渡せば、自分に向かって差し出されたてのひらが必ずある。
p212



ラオスにいったい何があるというんですか? / 村上 春樹
2016年07月24日 (日) | 編集 |
ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集
ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集村上 春樹

文藝春秋 2015-11-21
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村上春樹氏の紀行文集。

この本を読んでいる途中で読みはじめた
角田光代さんの旅行記があまりに対照的で
面白かったので、読まずに返しちゃおうかと
思ったのですが、せっかく図書館で半年も
待ったのだから、と最初から読んでみたら、
結構面白かったです。
(長い前置き^^;)

いつも風が吹いている荒涼としたアイスランドの
風景が見たくなりました。
フィンランドやNYやボストンの方が旅行先候補
としては上の方になりそうですが。
うーん、行ってみたい、と思っても、
それだけではなにか弱くて、実際には他の
無難な?ところに行ってしまうって。。
保守的ってことでしょうか?

以下引用と一言メモ。

レストランに入ると、いちいちメニューを見る必要もなく、「今日の魚定食ね」と頼むだけでいい。
P34
@アイスランド
クロアチアのレストランで他の人が「オススメはなに?」って聞いていたので、なるほど、と次のレストランで「オススメは?」って聞いてみたのですが、「何が好きかわからないよ」って言われたんですけど(汗)
「定食」っていうのもいいですね。

そんなはぐれ子パフィンを、町の子供たちがせっせと拾い集め、段ボール箱に入れ、家につれてかえって食事を与え、朝になると海岸にもっていって、風に乗せてはなしてやるのだ。
P40
@アイスランド

「東京都葛西の臨海公園にある水族館が開館したとき、ここの島からパフィンをもっていったんだ。あそこにいるパフィンたちは、この島のパフィンなんだよ。
P43
行ってみよう。

それらの風景は、写真に撮ることさえはばかられた。そこにある美しさは、写真のフレームにはとても収まりきらない種類のものだったからだ。
P54
風が吹きすさぶ荒涼とした風景、って好きです。

アイスランドの人と話していると、「三宅島の方は本当にお気の毒ですね」と言われた。たぶん三宅島の人々の身の上が、遠く離れていても、切実に感じられるのだろう。火山国には火山国の、共通したメンタリティーみたいなものがあるような気がする。
 温泉としていちばん有名なのは、レイキャビクから車で一時間弱の距離にある「ブルー・ラグーン」で、ここは本当に、冗談抜きででかい。小さな湖くらいの広さのある温泉に水着を着て入るのだけれど、まったく見渡すかぎりの温泉である。
P57
湖のような温泉!いいなあ。写真もきれいで気持ちよさそうです。

ポートランドで僕が個人的に気に入ったのは、ダウンタウンにあるヒースマン・ホテルのレストラン。親しくしている作家のポール・セローが、この店を僕に推奨してくれた。
P69
@オレゴン州ポートランド。

もしあなたが本好きなら、全米でいちばんの規模を誇る独立系書店「パウエル」で、半日ばかり至福の時を送ることができるだろう。
P73
@オレゴン州ポートランド。

彼女はその波瀾万丈の半生を語った『アライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』という著書を数年毎に出版した。この本をさっそく読んでみたのだけれど、とても面白くて、ロレインさんに是非会ってみたくなった。
P118

「ヴィレッジ・ヴァンガード」「バードランド」「スモーク」と四日間ニューヨークに滞在して、ジャズのライブを毎晩聴きまくった。
P126

もちろん何もかもがすべてとんとんと順調に進んだわけではない。「旅先で何もかもがうまく行ったら、それは旅行じゃない」というのが僕の哲学(みたいなもの)である。
P132

この楽器は彼の五十歳の誕生日に、友人一同からプレゼントされたものであるということだ。それまで彼は古いアップライト・ピアノを使って仕事をしていた。アップライト・ピアノが好きだったからではなく、グランド・ピアノを買う経済的余裕がなかったからだ。
P137
シベリウス、アップライト・ピアノで作曲を!

ちなみにフィンランドが正式な独立国家として成立したのはロシア革命後、1917年のことである。そしてシベリウスは新生フィンランドの顔のような存在になっていた。
P138

実をいうと、フィンランド語が一般的に使用されるようになったのは比較的近年のことだ。19世紀まではスウェーデン語がフィンランドの公用語として使われていた。フィンランド全体がスウェーデンの文化的支配下にあったからだ。
P140
ムーミンもスウェーデン語で書かれているそうですしね。

僕の本を担当してくれている編集者も、7月に四週間ほどの休暇をとり、つい先週職場復帰したばかりだという。(中略)多くのヘルシンキ市民は郊外にサマーハウスをもっていて、夏になると長く休暇をとり、都会を離れ、自然の中でのんびりと身体を休める。
P141
いいなー。「多崎つくる・・」にもサマーハウス出てきますよね。

ヘルシンキ港の中の島に作られた動物園も楽しかった。島ひとつがそのまま動物園になっているという、けっこうユニークな動物園です。
P146

仏教信仰の盛んなラオスの中にあっても、ルアンプラバンはとりわけ信仰心の篤い街だ。毎朝、朝の五時前から僧侶たちは托鉢に出る。人々は餅米ご飯(カオ・ニャオという)を竹で編んだおひつ(ティップ・カオという)に入れ、道ばたに座って、一人ひとりの僧侶にひとつかみずつ順番に寄進する。一般人は托鉢中の僧侶たちより高い位置にいてはならないし、目をあわせてもならない(中略)。道ばたにきちんと正座し、下から恭しく差し出さなくてはならない。それが大事な礼儀だ。
P154
春樹氏も寄進して「そこにある土着の力みたいなものを、その本物さを、不思議なくらい強く肌身にかんじることになった。」とのこと。

宗教家はよく「たとえ形だけの真似事でも、実際に続けているとそれはいつか本物にある」みたいなことを言うけど、たしかにそういうところはあるかもしれない。
P156

そしてよく探せば、その中にはどうしてはかわからないが、僕と個人的に結びついている(としか見えない)ものがちゃんと存在しているのだ。そして僕は自分自身のかけらみたいなものを、そこで――余った時間と自前の想像力をもって――ちょっとずつ拾い集めていくことができる。なんだか不思議な気がする。世界というのはとてつもなく広いはずなのに、同時にまた、足で歩いてまわれるくらいこぢんまりとした場所でもあるのだ。
P169

そのようにストックされた物語を前提としてコミュニティーができあがり、人々がしっかり地縁的に結びつけられているということが。
「宗教」というものを定義するのはずいぶんむずかしいことになるが、そのように固有の「物語性」が世界認識のための枠組みとなって機能するということも、宗教に与えられたひとつの基本的な役割と言えるだろう。当たり前のことだが、物語を持たない宗教は存在しない。そしてそれは(そもそもは)目的や、仲介者の「解釈」を必要としない純粋な物語であるべきなのだ。なぜなら宗教というものは、規範や思惟の源泉であるのと同時に、いやそれ以前に、物語の(言い換えれば流動するイメージの)共有行為として自生的に存在したはずのものなのだから。つまりそれが自然に、無条件に人々に共有されるということが、魂のためになにより大事なのだから。
P170
物語を共有することが人々を繋げることだとすると、ハリウッドがせっせか物語を量産しているのは世界を繋げる役を担っているってことで、喜ばしいこと?なのか?アメリカの価値観の広報と思っていたけど。